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2001.7.3 (Tue)
▲金庸『越女剣』(1966,74,77)

★★★
越女剣 / 金庸
林久之 伊藤未央 訳 / 徳間書店 / 2001.6
ISBN 4-19-861363-X 【Amazon】
中編集。「白馬は西風にいななく」、「鴛鴦刀」、「越女剣」の3編。
あれは2〜3年前だったか。金庸ブームが巻き起こり、一連の作品が本屋の店先を騒がせていたときがあった。ミーハーなので興味はあったものの、あいにく数巻に及ぶ大長編ばかりだったため、今の今まで手を出さずにいた。そんなわけで、本書が私の金庸初体験になる。
これは今でいう「キャラ萌え」小説だろうか。武術を操る少女の闘争と、淡い恋愛物語。まるで漫画のように人物がカリカチュアライズされている。しかも、翻訳もののくせにさくさく読めるのだから不思議。これはアニメ調の挿絵がついていても違和感ないと思う。
3編の中で面白かったのは夫婦剣の「鴛鴦刀」。この短編は、アクション、ロマンス、ユーモア、ストーリー、すべてにおいてバランスの取れた傑作だと思う。それに引き換え、「白馬は西風にいななく」は展開がかったるく、「越女剣」は2作に比べてやや物足りない。
最初の2作にはどんでん返しが仕掛けられていて、それが爽快な大団円を導いている。この手の体育会系小説は、単純で捻りのないものばかりだと思っていたので、著者の小説技巧に少なからず驚かされた。中国を舐めてすみませんでしたという感じ。これから色々読んでいこうと思う。
2001.7.5 (Thu)
▼東野圭吾『超・殺人事件 推理作家の苦悩』(2001)

★★
新潮社 / 2001.6
ISBN 4-10-602649-X 【Amazon】
ISBN 4-10-139522-5 【Amazon】(文庫)
短編集。「超税金対策殺人事件」、「超理系殺人事件」、「超犯人当て小説殺人事件(問題篇・解決篇)」、「超高齢化社会殺人事件」、「超予告小説殺人事件」、「超長編殺人事件」、「魔風館殺人事件(超最終回・ラスト五枚)」、「超読書機械殺人事件」の8編。
ミステリ界隈をネタにしたお笑い小説集。アイディア小説としては悪くないものの、思いつきを煮詰めないまま書いているという感じで物足りなかった。『名探偵の掟』と比べるとかなりぬるいと思う。
ただ、「超読書機械殺人事件」だけは別格で、その刃の切れ味は鋭い。特に感想サイトを作るほど読書が好きな人にとっては、最後の黄泉の独白に考えさせられるのではなかろうか。