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- 18 : 横山秀夫『半落ち』(2002)
- 20 : 馳星周『マンゴー・レイン』(2002)
2002.10.18 (Fri)
▼横山秀夫『半落ち』(2002)

★★
講談社 / 2002.9
ISBN 4-06-211439-9 【Amazon】
ISBN 4-06-275194-1 【Amazon】(文庫)
アルツハイマーの妻を扼殺したとして、現職の警官が自首してきた。犯行から自首までに空白の2日間があったが、それについては黙秘を通している。いったい何があったのか?
複数の視点から1つの事件を追う、著者にしてはトリッキーな形式。警官、検察官、新聞記者、弁護士、裁判官、刑務官と6つの章からなり、空白の2日間の謎を軸としながらも、それぞれの主人公が抱く葛藤が描かれる。組織と個人といういつもの図式はともかく、1つの犯罪がベルトコンベアー式に処理されていく、司法界の裏事情が新鮮だった。
ただ、登場人物があまりに類型的なので、物語も「感動のベルトコンベアー」に乗せられているような気分になる。これは背景がリアルであればあるほど相対的に目立ってしまう要素だろう。くわえて、読み手を牽引する「2日間の謎」も、中年向けの人情話で終わっていていまいち乗り切れなかった。
2002.10.20 (Sun)
▼馳星周『マンゴー・レイン』(2002)

★★
角川書店 / 2002.9
ISBN 4-04-873417-2 【Amazon】
ISBN 4-04-344204-1 【Amazon】(文庫)
舞台はタイ。人買いの日本人が、高額の報酬で売春婦の密出国を依頼される。宝の地図をゲットした彼は、権力者たちを相手にサバイバルゲームを繰り広げる。
『マルタの鷹』【Amazon】系統の話だけど、やはりマンネリ化していてキツイ。近作ではその防衛策か、舞台を海外に移したり、主人公に特殊技能を持たせたりしているけれど、それでも大枠が変わらないのでどれも似たような印象になっている。たとえ幼馴染が殺し合っても、また罪の無い人間を巻き添えにしても、それは暴力がエスカレートしているだけであって、もはや昔日の叙情は生まれない。このことを喝破した福田和也は、何だかんだいって鋭いと思う。