2003.11b / Pulp Literature

2003.11.16 (Sun)

マイケル・ギルバート『スモールボーン氏は不在』(1950)

スモールボーン氏は不在(109x160)

★★★
Smallbone Deceased / Michael Gilbert
浅羽英子 訳 / 小学館 / 2003.9
ISBN 4-09-356531-7 【Amazon

弁護士事務所の書類保管庫からスモールボーン氏の死体が出てきた。

自己言及的なユーモアが、嘘みたいな偶然を堂々と組み込むための道具になっているところが面白かった。それと、探偵役とコンビを組む警官が無能じゃないところも挑戦的で良い。

2003.11.20 (Thu)

エセル・リナ・ホワイト『らせん階段』(1933)

らせん階段(93x160)

★★
Some Must Watch / Ethel Lina White
山本俊子 訳 / 早川書房 / 2003.9
ISBN 4-15-001739-5 【Amazon

周りに人家のない館。近所で若い女を狙った連続殺人事件があることを知ったメイドが怯える。

んー、何だこりゃ。主人公の空回りぶりが白けるうえに、連続殺人に関わるような危機が訪れないため、最後の章まで緊張感が作りだせていない。拳銃持ちの老婆と一緒に寝るのは嫌だとか、性格破綻の看護婦による意地悪が嫌だとか、頼れる人が酒浸りになっただとか、イベントのレベルがやけに低いのだ。思えば、『バルカン超特急』【Amazon】も似たような問題を抱えていたので、著者はサスペンス作りが不得手なのだろう。もしくは、始めからそういうのを放棄しているとしか思えない。

なお、殺人鬼の動機はわりと現代的で目を惹く。こういう問題って第二次大戦前からあったんだね、と感心した。