全米批評家協会賞(フィクション) / Pulp Literature
Last Updated: 2022.2.16 (Wed)
全米批評家協会賞とは?
アメリカの文学賞。1976年に全米批評家協会が設立。フィクションをはじめとする5部門を表彰する。
受賞作リスト
タイトルにリンクのついている作品は、クリックするとレビューのページに移動します。
2019年
- エドウィージ・ダンティカ "Everything Inside"
2018年
- アンナ・バーンズ『ミルクマン』(河出書房新社)
- 18歳の「私」の前にミルクマンという中年男が現れる。「私」の所属するコミュニティは体制派である「海の向こう側」と揉めており、反体制派が爆弾テロなどで暗躍していた。「私」と彼氏のメイビーBFは極力中立でいようとしていたが、メイビーBFが体制派と誤解されそうな車のパーツを手に入れてしまう。★★★★。
2017年
- Joan Silber "Improvement"
2016年
- ルイーズ・アードリック "LaRose"
2015年
- Paul Beatty "The Sellout"
2014年
- マリリン・ロビンソン "Lila"
2013年
- チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ『アメリカーナ』(河出書房新社)
- イボ人のイフェメルはナイジェリアからアメリカに渡って13年が経っていた。帰郷する予定の彼女はヘアサロンで髪を結ってもらい、その最中に過去の出来事が語られていく。ラゴスで共に過ごしたオビンゼとの恋だったり、奨学金を得てアメリカに渡って大学に入るも仕事探しに苦労したり、新たな恋人とオバマ大統領の誕生を祝ったり。彼女は人種問題を題材にしたブロガーとして有名になっていた。★★★★★。
2012年
- ベン・ファウンテン『ビリー・リンの永遠の一日』(新潮社)
- イラク戦争。19歳のビリー含む8人のブラボー分隊の兵士たちは、英雄としてテキサスのスタジアムに駆り出されていた。彼らはフットボールの試合で、芸能人たちと戦意高揚の見世物になっている。兵士たちはこれが終わったら中東に帰任することになっていた。★★★★。
2011年
- イーディス・パールマン『双眼鏡からの眺め』【Amazon】
2010年
- ジェニファー・イーガン『ならずものがやってくる』(早川書房)
-
盗癖を治すべく精神科医にかかっているサーシャは、かつて有名音楽プロデューサーであるベニーのもとで働いていた。ベニーは元パンクロッカーで、サーシャも彼に負けない数奇な人生を歩んでいる。物語は2人を軸に様々な人物に焦点を当てていく。★★★★。
2009年
- ヒラリー・マンテル『ウルフ・ホール』(早川書房)
-
16世紀。イングランド王ヘンリー8世は王妃と離婚したがっていた。下層階級出身のトマス・クロムウェルは、出世してウルジー枢機卿に仕えるも、枢機卿は王の離婚問題で下手を打って失脚してしまう。その後、クロムウェルは王の側近になるのだった。★★★。
2008年
- ロベルト・ボラーニョ『2666』【Amazon】
2007年
- ジュノ・ディアス『オスカー・ワオの短く凄まじい人生』(新潮社)
- アメリカ在住のドミニカ人オスカー・ワオは、SF・アニメ・TRPGなどに耽溺するナードだった。肥満体の彼は女にモテず、童貞のまま青春を過ごすことになる。童貞をこじらせ狂気を募らせていくオスカー。彼の一族にはトルヒーリョにまつわる凄惨な歴史があり、オスカー自身も過酷な運命に向かっていく。★★★★★。
2006年
- キラン・デサイ『喪失の響き』(早川書房)
- 1980年代のインド。事故で両親を亡くした少女サイは、元判事の祖父と、彼に仕える料理人の3人で暮らしていた。サイは家庭教師の青年ギヤンと恋に落ちるも、ネパール系住人の自治独立運動によって、破局の危機を迎える。一方、アメリカでは料理人の息子ビジュが、飲食店を渡り歩いて不法労働していた。★★★★★。
2005年
- E. L. Doctorow "The March"【Amazon】
- 未訳
2004年
- マリリン・ロビンソン『ギレアド』(新教出版社)
- アイオワ州ギレアド。牧師のジョン・エイムズは、己の死期を悟って幼い息子へ手紙を書き始める。ジョンは1880年生まれの76歳。手紙には、南北戦争に従軍して片目を失った祖父や、無神論者の兄エドワード、親友の息子で色々問題を起こしているジャックのことなどを書き記している。ジョンは息子に自分の知っていることを継承しようとしていた。★★★★。
2003年
- エドワード・P・ジョーンズ『地図になかった世界』(白水社)
- 19世紀のヴァージニア州マンチェスター郡。黒人農場主のヘンリー・タウンゼントが31歳で急死する。彼は両親ともども白人農場主の元奴隷で、父親が貯めた金で自由になっていた。ヘンリーは自由になった後、自分も黒人の奴隷を持ったので、奴隷制に否定的な父親と折り合いが悪くなっている。★★★★★。
2002年
- イアン・マキューアン『贖罪』(新潮社)
- 物書き志望の少女が、誤解と偏見で他人を陥れる。★★★★。
2001年
- W・G・ゼーバルト『アウステルリッツ』(白水社)
- 旅先で「私」と何度か遭遇し、その都度持ち前の博識を披露してきた建築史家のアウステルリッツ。そんな彼が、ナチス時代にまで遡る自身のルーツを辿る。★★★★。
2000年
- ジム・クレイス『死んでいる』(白水社)
- 3つの時間軸が交錯する。(1) 浜辺で青姦していた学者夫婦が、通りすがりの強盗に殺害される。その後、死体はどんどん腐っていく。(2) 当日の夫婦の行動を、死の瞬間から遡っていく。(3) 30年前。院生だった2人の出会いを描く。★★★。
1999年
- ジョナサン・レセム『マザーレス・ブルックリン』【Amazon】
- ★★★。
1998年
- Alice Munro "The Love of a Good Woman"
- 未訳
1997年
- Penelope Fitzgerald "The Blue Flower"
- 未訳
1996年
- Gina Berriault "Women in Their Beds"
- 未訳
1995年
- Stanley Elkin "Mrs. Ted Bliss"
- 未訳
1994年
- キャロル・シールズ『ストーン・ダイアリー』(小学館)
- カナダの石工の家に生まれたデイジー・グッドウィルの生涯(1905-199?)。無口な父、世間知らずな母、育ての親にして将来の夫フレット教授。生誕のルーツから語り起こしつつ、彼女と関わった人々にスポットを当てていく。★★。
1993年
- アーネスト・J・ゲインズ『ジェファーソンの死』【Amazon】
1992年
- コーマック・マッカーシー『すべての美しい馬』(ハヤカワepi文庫)
- 1949年のテキサス州。牧場が人手に渡るのを不満に思った16歳の少年ジョン・グレディが、親友と馬でメキシコに不法入国する。途中、13歳の少年と出会い、一緒に旅をするも、揉め事に巻き込まれて離別する。★★★★★。
1991年
- ジェーン・スマイリー『大農場』(中央公論社)【Amazon】
1990年
- ジョン・アップダイク『さようならウサギ』【Amazon】
1989年
- E・L・ドクトロウ『ビリー・バスゲイト』【Amazon】
1988年
- バーラティ・ムーカジ『ミドルマン』【Amazon】
1987年
- フィリップ・ロス『背信の日々』【Amazon】
1986年
- Reynolds Price "Kate Vaiden"
- 未訳
1985年
- アン・タイラー『アクシデンタル・ツーリスト』【Amazon】
1984年
- ルイーズ・アードリック『ラブ・メディシン』【Amazon】
1983年
- ウィリアム・ケネディ『黄昏に燃えて』【Amazon】
1982年
- Stanley Elkin "George Mills"
1981年
- ジョン・アップダイク『金持になったウサギ』(新潮社)
- 1979年。アメリカは第2次オイルショックでガソリン不足に見舞われていた。ウサギことハリー・アングストロームは、印刷工から一転、トヨタの代理店で経営者をしている。金持ちになったウサギは、プールにゴルフと余裕のある生活をしていた。そんなある日、大学生の息子ネルソンが、ガールフレンドのメラニーを連れて家に帰ってくる。★★★。
1980年
- トーマス・フラナガン "The Year of the French"
- 未訳
1979年
- ジョン・チーヴァー "The Stories of John Cheever"【Amazon】
1978年
- トニ・モリスン『ソロモンの歌』【Amazon】
1977年
- ジョン・ガードナー "October Light"
- 未訳
1976年
- E・L・ドクトロウ『ラグタイム』【Amazon】