ピュリッツァー賞 フィクション部門 / Pulp Literature
Last Updated: 2022.11.14 (Mon)
ピュリッツァー賞 フィクション部門とは?
アメリカの文学賞。 ピュリッツァー賞の一部門。アメリカのフィクションを対象にしている。1918年に「小説部門」としてスタートし、48年に「フィクション部門」と改称した。
受賞作リスト
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2021年
- Louise Erdrich "The Night Watchman"【Amazon】
2020年
- コルソン・ホワイトヘッド『ニッケル・ボーイズ』(早川書房)
- 1960年代のフロリダ州。黒人の高校生エルウッドは品行方正で勉学に励んでおり、大学の授業に誘われるほど優秀だった。ところが、ある日無実の罪で少年院ニッケル校に送られることになる。そこでは娑婆と同じく人種差別があり、また職員が暴力で少年たちを押さえつけていた。★★★。
2019年
- リチャード・パワーズ『オーバーストーリー』(早川書房)
- 芸術家のニコラス・ホーエルには、南北戦争前から四世代にわたって栗の木を育て、その様子を写真に収めてきた祖先がいた。そんな彼がオリヴィアという女子大生と出会う。彼女は感電して死の淵から蘇った女だった。ニコラスはオリヴィアに導かれるまま西へ向かい、原生林の保護活動に身を投じる。さらに、色々な出自の人たちが繋がっていき……。★★★。
2018年
- アンドリュー・ショーン・グリア『レス』(早川書房)
- 売れない作家のアーサー・レスは、もうすぐ50歳の誕生日を迎えようとしていた。彼は若い頃に年上の天才詩人ロバートと恋仲にあり、彼と別れたあとは友人の血縁フレディと恋仲になっている。アーサーはフレディと9年間つき合って別れ、その後、フレディは結婚することになった。結婚式の招待を受けたアーサーは、出席を回避するために世界ツアーに出る。★★★。
2017年
- コルソン・ホワイトヘッド『地下鉄道』(早川書房)
- ジョージアのランドル農園。そこで奴隷をしている15歳の黒人少女コーラは、母親の失踪によって周囲から孤立していた。そんななか、シーザーという新入りの奴隷から一緒に逃亡するよう誘われる。2人は白人の協力者の手引きにより地下鉄道で脱出、サウス・カロライナにたどり着く。一方、農園側はリッジウェイという奴隷狩り人に彼らを追わせていた。★★★。
2016年
- ヴィエト・タン・ウェン『シンパサイザー』(早川書房)
- ヴェトナム戦争。サイゴンが陥落し、南ヴェトナムの将校たちはアメリカ西海岸に難民として移り住むことになる。大尉の「私」は表向き将軍に仕えていたが、実は北ヴェトナムのスパイで、情報を祖国の管理者に送っていた。将軍はアメリカで反攻計画を練っている。★★★★。
2015年
- アンソニー・ドーア『すべての見えない光』(新潮社)
- (1) ナチス時代のドイツ。孤児の少年ヴェルナーが、才能を認められて国家政治教育学校に入学する。そこでは士官候補生たちが異様な生活を送っていた。(2) 同じ時代のフランス。盲目の少女マリー=ロールが、父に連れられてサン・マロへ疎開する。博物館員の父は、伝説のダイヤモンド<炎の海>の守秘にあたっていた。★★★。
2014年
- ドナ・タート『ゴールドフィンチ』【Amazon】
2013年
- アダム・ジョンソン『半島の密使』【Amazon】
2012年
- 受賞作品なし
2011年
- ジェニファー・イーガン『ならずものがやってくる』(早川書房)
- 盗癖を治すべく精神科医にかかっているサーシャは、かつて有名音楽プロデューサーであるベニーのもとで働いていた。ベニーは元パンクロッカーで、サーシャも彼に負けない数奇な人生を歩んでいる。物語は2人を軸に様々な人物に焦点を当てていく。★★★★。
2010年
- ポール・ハーディング『ティンカーズ』(白水社)
- 80歳のジョージ・ワシントン・クロスビーは退職後に時計修理の仕事をしており、現在は死の床にあった。彼が子供の頃、父のハワードは貧しいセールスマンをしていたが、ジョージが11歳だった1926年のクリスマスイヴ、癲癇の発作を起こして倒れてしまう。介抱するジョージの指をハワードが噛んだため、ハワードの妻キャスリーンは密かに夫を精神病院に入院させようとする。それを知ったハワードは家出をするのだった。★★★。
2009年
- エリザベス・ストラウト『オリーヴ・キタリッジの生活』(早川書房)
- 連作短編集。「薬局」、「上げ潮」、「ピアノ弾き」、「小さな破裂」、「飢える」、「別の道」、「冬のコンサート」、「チューリップ」、「旅のバスケット」、「瓶の中の船」、「セキュリティ」、「犯人」、「川」の13編。★★★★。
2008年
- ジュノ・ディアス『オスカー・ワオの短く凄まじい人生』(新潮社)
- アメリカ在住のドミニカ人オスカー・ワオは、SF・アニメ・TRPGなどに耽溺するナードだった。肥満体の彼は女にモテず、童貞のまま青春を過ごすことになる。童貞をこじらせ狂気を募らせていくオスカー。彼の一族にはトルヒーリョにまつわる凄惨な歴史があり、オスカー自身も過酷な運命に向かっていく。★★★★★。
2007年
- コーマック・マッカーシー『ザ・ロード』(早川書房)
- 文明と秩序が崩壊したアメリカでは、寒冷化が進行して食糧が不足、人々は略奪や共食いで餓えをしのいでいた。そんななか、幼い少年が父親と旅をする。★★★★。
2006年
- ジェラルディン・ブルックス『マーチ家の父 もうひとつの若草物語』【Amazon】
2005年
- マリリン・ロビンソン『ギレアド』(新教出版社)
- アイオワ州ギレアド。牧師のジョン・エイムズは、己の死期を悟って幼い息子へ手紙を書き始める。ジョンは1880年生まれの76歳。手紙には、南北戦争に従軍して片目を失った祖父や、無神論者の兄エドワード、親友の息子で色々問題を起こしているジャックのことなどを書き記している。ジョンは息子に自分の知っていることを継承しようとしていた。★★★★。
2004年
- エドワード・P・ジョーンズ『地図になかった世界』(白水社)
- 19世紀のヴァージニア州マンチェスター郡。黒人農場主のヘンリー・タウンゼントが31歳で急死する。彼は両親ともども白人農場主の元奴隷で、父親が貯めた金で自由になっていた。ヘンリーは自由になった後、自分も黒人の奴隷を持ったので、奴隷制に否定的な父親と折り合いが悪くなっている。★★★★★。
2003年
- ジェフリー・ユージェニデス『ミドルセックス』(早川書房)
- 半陰陽者の自伝。ギリシャ系移民の家庭に生まれたカリオペ・ステファニデスが、家族の肖像と思春期の悩みを物語る。彼は小さい頃、女の子として育てられていた。★★★★。
2002年
- Richard Russo "Empire Falls"【Amazon】
- 未訳
2001年
- マイケル・シェイボン『カヴァリエ&クレイの驚くべき冒険』(早川書房)
- チェコのユダヤ人ジョー・カヴァリエが、ナチスのユダヤ人弾圧から逃れてアメリカに亡命、いとこのサミー・クレイの家に転がり込む。若い2人は「エスケーピスト」なるコミックヒーローを作り出し、一躍ベストセラー作家になるのだった。★★★。
2000年
- ジュンパ・ラヒリ『停電の夜に』(新潮文庫)
- 短編集。「停電の夜に」、「ピルザダさんが食事に来たころ」、「病気の通訳」、「本物の門番」、「セクシー」、「セン夫人の家」、「神の恵みの家」、「ビビ・ハルダーの治療」、「三度目で最後の大陸」の9編。★★★★。
1999年
- マイケル・カニンガム『めぐりあう時間たち』(集英社)【Amazon】
1998年
- Philip Roth "American Pastoral"【Amazon】
- 未訳
1997年
- スティーヴン・ミルハウザー『マーティン・ドレスラーの夢』(白水社)
- 19世紀末のアメリカ。葉巻商の息子マーティン・ドレスラーが、優れた経営手腕でホテルのオーナーに成り上がる。ホテルは順調に拡大の一途を辿るが……。★★★★★。
1996年
- Richard Ford "Independence Day"【Amazon】
- 未訳
1995年
- キャロル・シールズ『ストーン・ダイアリー』
- カナダの石工の家に生まれたデイジー・グッドウィルの生涯(1905-199?)。無口な父、世間知らずな母、育ての親にして将来の夫フレット教授。生誕のルーツから語り起こし、彼女と関わった人々にスポットを当てる。★★。
1994年
- E・アニー・プルー『シッピング・ニュース』(集英社文庫)【Amazon】
1993年
- ロバート・O・バトラー『ふしぎな山からの香り』(集英社)【Amazon】
1992年
- ジェーン・スマイリー『大農場』(中央公論社)【Amazon】
1991年
- ジョン・アップダイク『さようならウサギ』(新潮社)【Amazon】
1990年
- オスカー・イフェロス『マンボ・キングス、愛のうたを歌う』(中央公論社)【Amazon】
1989年
- アン・タイラー『ブリージング・レッスン』(文藝春秋)【Amazon】
1988年
- トニ・モリスン『ビラヴド』【Amazon】
1987年
- ピーター・テイラー『メンフィスへ帰る』(早川書房)【Amazon】
1986年
- Larry McMurty "Lonesome Dove"
- 未訳
1985年
- Alison Lurie "Foreign Affairs"【Amazon】
- 未訳
1984年
- ウィリアム・ケネディ『黄昏に燃えて』(早川書房)【Amazon】
1983年
- アリス・ウォーカー『カラーパープル』(集英社)
- 20歳のセリーは、妹の身代わりとしてミスター**の元に嫁がさせられる。2人の間に愛はなく、セリーはミスター**の子供たちを世話するために結婚させられたのだった。セリーは夫から暴力を受けて彼に従う一方、義理の息子夫婦は妻のソフィアのほうが主導権を握っている。あるとき、そのソフィアが市長に暴行して逮捕されてしまう。★★★。
1982年
- ジョン・アップダイク『金持になったウサギ』(新潮社)
- 1979年。アメリカは第2次オイルショックでガソリン不足に見舞われていた。ウサギことハリー・アングストロームは、印刷工から一転、トヨタの代理店で経営者をしている。金持ちになったウサギは、プールにゴルフと余裕のある生活をしていた。そんなある日、大学生の息子ネルソンが、ガールフレンドのメラニーを連れて家に帰ってくる。★★★。
1981年
- ジョン・ケネディ・トゥール『愚か者同盟』(国書刊行会)
- ニューオリンズ。30歳のイグネイシャスは肥満体の子供部屋おじさんで、どこにも発表するあてのない論文を子供用レポート用紙に書き殴っていた。そんな彼も母親の不始末で外に働きに出ることに。アパレル会社に就職するも、黒人たちのデモを扇動してクビになる。その後はホットドッグの屋台を引くことになるが……。★★★。
1980年
- ノーマン・メイラー『死刑執行人の歌』(同文書院)【Amazon】
1979年
- ジョン・チーヴァー "The Stories of John Cheever"【Amazon】
1978年
- James Alan McPherson "Elbow Room"【Amazon】
- 未訳
1977年
受賞作なし
1976年
- ソール・ベロー『フンボルトの贈り物』(講談社)【Amazon】
1975年
- Michael Shaara "Killer Angels"【Amazon】
- 未訳
1974年
受賞作なし
1973年
- ユドーラ・ウェルティ『マッケルヴァ家の娘』(新潮社)【Amazon】
1972年
- Wallace Stegner "Angle of Repose"【Amazon】
- 未訳
1971年
受賞作なし
1970年
- Jean Stafford "Collected Stories"【Amazon】
- 未訳
1969年
- N. Scott Momaday "House Made of Dawn"【Amazon】
- 未訳
1968年
- ウィリアム・スタイロン『ナット・ターナーの告白』(河出書房新社)【Amazon】
1967年
- バーナード・マラマッド『修理屋』(早川書房)
1966年
- Katherine Anne Porter "The Collected Stories of Katherine Anne Porter"【Amazon】
- 未訳
1965年
- シャーリー・アン・グロウ『ハウランド家の人びと』(弘文堂)【Amazon】
1964年
受賞作なし
1963年
- ウィリアム・フォークナー『自動車泥棒』(講談社)
1962年
- エドウィン・オコナー "The Edge of Sadness"
- 未訳
1961年
- ハーバー・リー『アラバマ物語』(暮しの手帖社)【Amazon】
1960年
- Allen Drury "Advise and Consent"
- 未訳
1959年
- ロバート・ルイス・テイラー "Travels of Jaimie McPheeters"
- 未訳
1958年
- ジェームズ・アギー "A Death in the Family"
- 未訳
1957年
受賞作なし
1956年
- マッキンレイ・カンター "Andersonville"
- 未訳
1955年
- ウィリアム・フォークナー『寓話』(岩波文庫)【Amazon】
1954年
受賞作なし
1953年
- アーネスト・ヘミングウェイ『老人と海』(新潮文庫)
- キューバ。不漁続きの老漁師が小舟で沖に出る。巨大なマカジキと4日間戦って勝利するも、帰る途中、鮫の妨害に遭う。★★★★★。
1952年
- ハーマン・ウォーク『ケイン号の叛乱』(早川書房)【Amazon】
1951年
- コンラッド・リクター "The Town"
- 未訳
1950年
- A・B・ガスリー・Jr "The Way West"
- 未訳
1949年
- ジェームズ・G・カズンズ "Guard of Honor"
- 未訳
1948年 「フィクション部門」に改称
- ジェイムズ・A・ミッチェナー『南太平洋物語』(六興出版社)
1947年
- ロバート・ペン・ウォーレン『すべて王の臣』(白水社)【Amazon】
1946年
受賞作なし
1945年
- ジョン・ハーシー "A Bell for Adano"
- 未訳
1944年
- マーティン・フレーヴィン "Journey in the Dark"
- 未訳
1943年
- アプトン・シンクレア "Dragon's teeth"
- 未訳
1942年
- Ellen Glasgow "In This Our Life"
- 未訳
1941年
受賞作なし
1940年
- ジョン・スタインベック『怒りの葡萄』【Amazon】
1939年
- マージョリー・キーナン・ローリングズ『仔鹿物語』(角川文庫)
1938年
- John Phillips Marquand "The Late George Apley"
- 未訳
1937年
- マーガレット・ミッチェル『風と共に去りぬ』【Amazon】
1936年
- ハルロド・L・デイヴィス "Honey in the Horn"
- 未訳
1935年
- ジョセフィン・ウィンスロー・ジョンソン "Now in November"
- 未訳
1934年
- キャロライン・ミラー "Lamb in His Bosom"
- 未訳
1933年
- T・S・ストリブリング "The Store"
- 未訳
1932年
- パール・バック『大地』【Amazon】
1931年
- マーガレット・エアー・バーンズ "Years of Grace"
- 未訳
1930年
- Oliver Lafarge "Laughing Boy"
- 未訳
1929年
- Julia Peterkin "Scarlet Sister Mary"
- 未訳
1928年
- ソーントン・ワイルダー『サン・ルイ・レイ橋』
1927年
- ルイス・ブロムフィールド "Early Autumn"
- 未訳
1926年
- シンクレア・ルイス『ドクター アロースミス』【Amazon】
1925年
- エドナ・ファーバー "So Big"
- 未訳
1924年
- マーガレット・ウィルソン "The Able McLaughlins"
- 未訳
1923年
- ウィラ・キャザー "One of Ours"
- 未訳
1922年
- ブース・ターキントン『アリス・アダムス』
1921年
- イーディス・ウォートン『エイジ・オブ・イノセンス』(新潮文庫)【Amazon】
1920年
受賞作なし
1919年
- Booth Tarkington "The Magnificent Ambersons"
- 未訳
1918年 「小説部門」としてスタート
- アーネスト・プール "His Family"
- 未訳